9月の禅語御朱印直書き会

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9月の禅語御朱印直書き会

9月の禅語御朱印直書き会のご案内です。参加は予約不要です。

 

9月の開催は、

9月23日(土)11:00~13:00

9月24日(日)11:00~13:00

*開催時間がいつもと違うので気をつけてください。

 

9月のテーマは、一灯照一隅(いっとういちぐうをてらす)

 

「一灯照隅、万灯照国(いっとうしょうぐう、ばんとうしょうこく)」という言葉の一節。比叡山延暦寺を開いた最澄が、唐から持ち帰った言葉とされています。

 

初めは一隅(片すみの部分)を照らすような小さな灯火(ともしび)も、その灯火が百、千、万と増えれば、国中を明るく照らすことになる。その様子を表しています。

また、「一灯」とは、一つのともし火のことで、仏教を開いた釈迦の教えを象徴していると言われています。初めは釈迦が一人で坐り一人で悟ったことが、彼の身の回りの人々に伝わり、時代が下った今では多くの人が知ることとなったことを表している。とも、解されています。

 

さて、釈迦の時代からおよそ2500年たった今、ワンクリックで地球の裏側にいる人とでもコミュニケーションできる時代になりました。

もともとは、実際に対面して伝えるという手段しかもたなかった人類は、情報伝達の技術を発展させ、今では顔を見たこともない80億の人たちに、瞬時に何かを伝えることが不可能ではない時代です。

「一灯照隅、万灯照国」は、今や「一灯照隅、億灯照地球」が技術的には不可能ではないわけです。しかも、あっという間に。

実際に顔を合わすことのできる範囲の人を「隣人」と呼んでいた時代から、全人類が80億人が「隣人」になり得るのなら、命を奪い合うほどの争いを、ほんとうに隣人とするべきかどうか、立ち止まって考える機会が増えるかもしれません。すごいことです。

しかしこの状況は、私たちが初めて経験する状況です。地球を照らす「億灯」が、地球全体が大火事になるような争いの炎上ではなく、互いを認めて照し合う、暖かくともる明かりであって欲しいと祈ります。

 

さて、「億灯照地球」な今、私自身が大切にしようと思っていることがあります。80億の灯火の色はそれぞれ、必ず色が違うということです。

最も身近な人でさえ信じるものや考え方が違うということは、日々の生活で実感できることです。もし、80億人が同じ色の灯火になる時がくるとしたら、それは人類の危険な大炎上と考えるべきだと思っています。

 

私は、その色の違いに気付けているか。違いを恐れていないか。違った色のまま共に生きられるか。まずは最も身近な灯火の色を、ちゃんと見ることから。

 

 

令和五年 長月

両足院徒弟

品部東晟

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