8月の禅語御朱印直書き会
8月の禅語御朱印直書き会のご案内です。参加は予約不要です。
8月の開催は、
8月5日(土)13:00~15:00
8月6日(日)13:00~15:00
8月のテーマは、心与水月涼(しんは すいげつとともに すずし)
「心は、水に映った月とおなじく涼やかである」
清流のみなもに静かに映る白い月のように、私たちの心は本来、涼やかなものだということを表している禅語です。
さて、禅の世界では、水に映る月を人間の心に例えることがあります。
水に映る月は流れや風など水面の変化によって姿を変えますが、空の月そのものは不変的な存在です。同様に、人間の心情や思考は移り変わりやすいものですが、心そのものは普遍的で、不変の存在と考えられているのです。
心や自己の本質は、常に変化するさまざまな現象の中にあっても、その根源的な性質は普遍的で変わらない。水に映る月を心に例えることで、心の「普遍性(広く全てのものに当てはまること)」と「不変性(変わらないこと)」を象徴しているのだと私は思います。
「心は水月とともに涼し」
心に落ち着きがないと思った時。気持ちが乱れている感じている時。
心のありかがわからなくなりそうな時。自分の心を思い通りに扱えていないと思う時。
そんな時は、清流の水面に映る月をイメージしてみてください。
できるならじっと坐って、実際に水面に映る月を眺めてみてください。
川の流れは、早くも遅くもなるでしょう。
風が吹いて水面が乱れることもあるでしょう。
曇って、月が見当たらない時もあるでしょう。
水面の月は常にゆらぎ、川の状況によってその見え方が変わることでしょう。
水面の月を手に取ろうと掬い上げてみたところで、こぼれ落ちた水の後以外、その手に何も残りません。
心とは本来そういうものだということに、立ち返ってみてください。
私たちは、そういう心というものを備えて存在しているという、現実があるのみです。
空にうかぶ月は、相変わらずそこにあるがままです。
両足院徒弟
品部東晟