7月の禅語御朱印直書き会

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7月の禅語御朱印直書き会

7月の禅語御朱印直書き会のご案内です。参加は予約不要です。

7月の開催は、

7月1日(月)10:00~12:00

7月15日(月)10:00~12:00

※日程が合わず来院できない月があった方は、もしご希望であれば月を遡って抜けた月の分の禅語も書かせていただきます。いらした際にお声がけください。

 

7月のテーマは莫妄想(まくもうぞう)です。

「莫(まく)」とは「なかれ」とも読み、禁止を意味します。

また、「妄想」とは一般的には根拠なくあれこれ想像することを意味します。

莫妄想とは、妄想することなかれ、つまり「妄想するな!」というメッセージといえるでしょう。禅語としては、「まくもうぞう」と読むことが一般的です。

 

さて、「妄想すること莫かれ」とは、文字通り「妄想するな!」という意味ですが、禅宗においてはこの妄想(もうぞう)という言葉の捉え方が、日常的に私たちが使っている妄想(もうそう)という言葉とは少し違っています。

 

例えば、禅宗においては、「今この瞬間の現実」ではない「過去」や「未来」は、各人の頭の中だけにある実際は存在しないもの、つまり「妄想」であるとされています。

もし、変えようのない過去や、まだ起きていない未来にばかり気を取られ、現実の今この瞬間を見ていない修行僧がいたならば、「妄想するな!」と一蹴されてしまいます。

 

また、禅宗においては、「全ては一つである」と捉えているため、自己と他者や、主観と客観、生死、善悪、是非、勝敗など、二つの相対する概念を作り出す心そのものが「妄想」であるとします。

もし、二つの相対する概念の一方に固執して、悩み苦しんでいる修行僧がいたならば、これもまた「妄想するな!」と一蹴されることでしょう。

 

このように、禅宗における妄想(もうぞう)は、日常生活において使われる妄想(もうそう)という言葉とは違うように思われますが、もしあなたが今何か思い悩んでいるのであれば、その悩みは、もしかすると妄想かもしれないと、いったん疑ってみてもいいかもしれません。

 

じっと坐って、他に何もせず、その悩みを「妄想かもしれない」と観察してみる時間。

それも坐禅です。

 

 

2024年7月文月

両足院徒弟

品部東晟

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