【禅語御朱印】二月のテーマについて
毎月更新している禅語御朱印(書置)、二月の禅語は「春風花自開(しゅんぷうにはなおのずからひらく)」です。
この禅語について思うことをすこし…
春の風が吹けば、花はおのずから咲く。
自然の摂理に委(ゆだ)ねて、ただ咲く。
そんな花のようすから「無心」ということを表現した禅語だと、私は理解しています。
さて、自分について考えてみるとどうでしょう。
一年のうちには、私にとって暖かく過ごしやすい季節もあれば、厳しい寒さに耐える季節もあります。
季節の変化とともに体調や気持ちも変化するのは自然なことでしょう。
例えば景気や流行りの病など、社会の様子もまた季節や天気のように移り変わりつづけることと考えれば、自然の流れとしてある程度ゆだねる気持ちがあってもいいと、私は思うのです。
坐禅を通して自分自身や身の回りのできごとを深く観察してみると、自分の意思でコントロールできることがあまりに少ないという事実に気付かされます。
この事実をネガティブなこととしてではなく、シンプルに事実として受け入れた時から、私のなかで「悩むべきこと」と「悩んでもしょうがないこと」との境界線が、すこしずつ動き始めたような気がします。
「悩んでもしょうがないこと」とはいえ、思考停止や麻痺、忘却、無視することではありません。
大自然の中での自分の身の丈を理解し、ゆだねるべきところはゆだねて、自分が今できることについて考え、自分のペースでやっていくこと。そういうことだと思うのです。
どうせ悩むなら、「自分が今できることはなにか」に頭をひねりたいと思っています。
春の風に吹かれて咲いた花をみて、先人たちはなにを受け取ったのでしょうね。
解釈は無限。禅語は面白いです。
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毎月の禅語御朱印(書置)は、両足院の授与所、もしくはオンライン授与所で授与しております。
また、毎月開催している「書画実演会」の日程に合わせて両足院にご来院くだされば、お持ちいただいた御朱印帳への直書き授与もおこなっております。
二月の開催日程及び詳細は下記リンクよりご確認いただけます。